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略歴
【現役最高齢、脚本に監督にとエネルギッシュな活躍】広島県佐伯郡の生まれ。本名・兼登。1927年、石内尋常高等小学校を卒業。一生の仕事として映画監督を志望、京都へ行き新興キネマ京都撮影所の現像部へ何とか入る。1年後、今度は東京撮影所美術部に転籍する。暇さえあれば脚本を書いた。溝口健二の「愛怨峡」に美術助手として参加、初めて溝口演出を目の当たりにして、その気迫に驚く。助監督の落合吉人が監督に昇進した「南進女性」で脚本執筆、これを機会に脚本部に推薦された。このころ、監督第1作「愛妻物語」のモデル、孝子夫人と結婚した。 41年、溝口が松竹で「元禄忠臣蔵」を撮ることになり、新藤も美術監督の水谷浩に誘われて京都に行く。建築監督として働き、徹底を極めた時代考証の壮大なセット作りに参加する。そして、溝口に脚本を書いて渡すが、「これはシナリオではありません。ストーリーです」と酷評される。ショックを受けた新藤は『近代劇全集』43巻を読むことから再出発を図る。43年、過労から結核を病んでいた孝子夫人が死去。44年、召集令状が来る。【念願の監督デビュー】45年10月に復員、大船脚本部に復帰する。47年、吉村公三郎「安城家の舞踏会」（47）の脚本を書き、一躍評価が高まる。50年3月、吉村と2人は松竹を飛び出し、近代映画協会を設立、51年に「愛妻物語」で念願の監督デビューをする。この作品の成功で、新藤は自分が書いた脚本を自分で監督する、文字通りの独立映画作家になったのである。「原爆の子」（52）、「縮図」（53）、「どぶ」（54）、「第五福竜丸」（59）と作品を連発し、他の独立プロが挫折していく中で、何度かの経営危機を突破して今日まで続いている。苦労して製作した「裸の島」（60）はモスクワ映画祭でグランプリを受賞。スタッフ・キャストともに合宿しながら撮影するという方法論は、以後も新藤の作品で受け継がれていく。「本能」（66）、「藪の中の黒猫」（68）、「裸の十九才」（70）などの後、「ある映画監督の生涯・溝口健二の記録」（75）を撮る。新藤が師と仰ぐ溝口の生涯を、証言者のインタビューから浮き彫りにし、キネマ旬報ベスト・テン第1位。「竹山ひとり旅」（77）は半盲目の津軽三味線弾きの生涯を描いた伝記映画、以降も「絞殺」（79）、「北斎漫画」（81）、「地平線」（84）、「さくら隊散る」（88）などの後に「午後の遺言状」（95）を発表。公私ともに同志であった乙羽信子の最期の作品であった。キネマ旬報ベスト・テン第1位。以降も、高齢にかかわらず定期的に新作を発表している。彼の作風は“訥弁の雄弁”という彼の普段の語り口そのままで、エネルギッシュに対象をつきつめていく執念は凄絶であり、その粘りは感嘆に値する。2012年5月29日老衰のため死去。100歳であった。
キネマ旬報の記事
第３章 映画と戦争をめぐる１０人のことば:新藤兼人 原爆が落ちた瞬間の、人が観たくないと思う映像を
「終戦のエンペラー」:採録「あの日 私はこうしていた！」映画人の記録－1945年8月15日を語る
新藤兼人と映画の百年:ボクが死んだら
新藤兼人と映画の百年:土を失った百姓 佐藤忠男
新藤兼人と映画の百年:新藤兼人が遺した言葉
新藤兼人と映画の百年:日本映画に間に合った 柄本明
新藤兼人と映画の百年:悲しかった出来事も
新藤兼人と映画の百年:巨星、堕つ
新藤兼人と映画の百年:新藤兼人 監督・脚本映画
第2特集「一枚のハガキ」:新藤兼人監督インタビュー 99歳の巨匠の“監督力”
第2特集「一枚のハガキ」:新藤兼人、独立プロの生き方
新作待機中！2011年下半期、期待の映画監督20人:新藤兼人「一枚のハガキ」
HOT SHOTS:第14回新藤兼人賞発表
HOT SHOTS:新藤兼人賞授賞式
特集 「石内尋常高等小学校 花は散れども」:新藤兼人監督 ロングインタビュー
フロント・インタビュー:新藤兼人
特別企画 戦後60年、そして、未来へ:新藤兼人監督 インタビュー
いまこそ再び木下惠介:第2回 新藤兼人 インタビュー
特集 「ふくろう」:新藤兼人監督、さらなる挑戦
特別インタビュー いまだから言いたいこと:新藤兼人
特別企画 リスペクト－中平康:レトロスペクティブに寄せて
作品特集 三文役者:新藤兼人監督 インタビュー
COMING SOON【新作紹介】:鮫肌男と桃尻女
特集 生きたい:新藤兼人監督 インタビュー
座談会 日映協パネルディスカッション96:「日本映画に明日はあるのか？」 新藤兼人×小栗康平×佐藤忠男×木村奈保子
特別カラー・グラビア:日本映画監督・脚本賞 新藤兼人
日本映画ジャンル別ベストテン:ベスト脚本
特集 午後の遺言状:老いと死を見つめて
忠臣蔵映画史:溝口健二の「元禄忠臣蔵」
創刊75周年特集〈2〉キネマ旬報の想い出:
追悼特集 フェデリコ・フェリーニ GRAZIE／maestro Fellini:フェリーニに手向ける言葉
巻頭特集 甦るフィルム、甦った「忠次旅日記」:「忠次旅日記」をめぐる感動の声 新藤兼人、野上照代、篠田正浩、深作欣二、森卓也、井家上隆幸、西脇英夫、梶田章 インタビュー
往復書簡 映画の魂・私の道:新藤兼人→神山征二郎 1
往復書簡 映画の魂・私の道:神山征二郎→新藤兼人 1
特集 墨東綺譚:対談 新藤兼人×佐藤忠男
追悼:依田義賢
特別企画 追悼:八住利雄
特集 愛と哀しみの旅路:エッセイ
エッセイ:「新藤兼人ノ世界」に寄せて
追悼:殿山泰司
特集 さくら隊散る:創作ノート
第13回城戸賞選考を終えて:
追悼:八木保太郎
第12回 城戸賞発表 ひかり:選考を終えて
特別企画 第11回城戸賞受賞作:選評
第十回 城戸賞発表！:選考にあたって
城戸賞佳作脚本:城戸賞選考を終えて
フロント・ページ:
城戸賞:選評
映画の本:
第七回城戸賞選考に当たって:
「第6回城戸賞」選考を終えて:
「絞殺」:子殺し親殺しの季節
特別グラビア:脚本賞 新藤兼人
映画の本:「権力はワイセツを嫉妬する」
第3回城戸賞:未来の映画をひらいてゆくのは新人の才能だ
日本のシナリオ作家たち:新藤兼人 （下）
日本のシナリオ作家たち:新藤兼人 （上）
田中さんの思い出:
顔と言葉:
グラビア:新藤兼人「竹山ひとり旅」
ベスト・テン発表特別グラビア:日本映画監督賞 新藤兼人
新譜紹介 「女優田中絹代」:
新藤兼人のユニークな挑戦:
グラビア:新藤兼人監督 「ある映画監督の生涯」
随想 :
グラビア:新藤兼人監督 「わが道」
シナリオ:わが道
グラビア:新藤兼人の「心」
シナリオ:心
私とソビエト映画:新藤兼人
特別グラビア:新藤兼人の「讃歌」
シナリオ:讃歌
特別グラビア:鉄輪／新藤兼人組
特別グラビア:新藤兼人／鉄輪
スタッフ特写:「裸の十九才」の新藤兼人組
キネ旬特別ディスカッション試写会に参加して映画作家が考えたこと:2
シナリオ:千羽鶴
スタッフ特写:「触角」の新藤兼人組
次回作:「触角」
特別グラビア:「強虫女と弱虫男」の新藤兼人組
シナリオ:強虫女と弱虫男
特集 映画を危うくする“曖昧な言葉”:製作者側の発言 創造者側の主体性確立が問題
特別グラビア:「藪の中の黒猫」の新藤兼人組
ことし監督たちはなにを遺したか:新藤兼人
特集 新藤兼人とその世界:新藤映画の深層を探る
特集 新藤兼人とその世界:乱世に生きるわが映画哲学
新藤兼人新作シナリオ2編:藪の中の黒猫
新藤兼人新作シナリオ2編:眠れる美女
特集 67年に賭ける13監督の表情:新藤兼人と「性の起原」
独占2大シナリオ :妻二人
シナリオ:堕落する女
座談会 独立プロ・67年の課題:新藤兼人×勅使河原宏×市川喜一×能登節雄×絲屋寿雄×藤井知至×羽仁進×黒木和雄×栄田清一郎 ゲスト・堀場伸世
あの人この人:第20回 新藤兼人氏
特別グラビア '67年－27の顔と言葉:新藤兼人
特集 時代劇にふたたび青春を！:筋追い劇から人間のドラマへ
シナリオ:けんかえれじい
作家と批評家:2 日本人であることの意味
特別グラビア:「本能」の新藤兼人組
巻頭グラビア 日本映画の春を呼ぶ 6監督ただいま撮影中:「本能」の新藤兼人
なくて七癖:第31回 新藤兼人の巻
特別掲載2大シナリオ:刺青（いれずみ）
関東グラビア 監督プロダクション時代:新藤兼人と近代映画協会
第一線監督はいまこう考える:近況報告特集
シナリオ:清作の妻
座談会 独立プロの自由と制約:堀場伸世（東京映画・日映新社常務）×新藤兼人（近代映画協会取締役）×勅使河原宏（勅使河原プロ代表者）
今井正・新藤兼人新春対談:
3大異色シナリオ:鬼婆
芸術選奨の二人:新藤兼人監督と川喜多かしこさん
新藤兼人:土を失った百姓
思い出を語る:思い出のかずかず
新藤兼人:裸の島
シナリオ作法について:シナリオと私
映画化作品リスト:
小津映画になにを学ぶか:体験的小津安二郎論
シナリオ:傷だらけの山河 前篇／後篇
座談会 日本映画製作改造:井沢淳（映画評論家）×新藤兼人（映画監督）×登川直樹（日本大学教授）×増村保造（映画監督）×南博（一橋大学教授）×大橋重勇（本誌）×嶋地孝麿（本誌）
特集 “無手勝流”新藤兼人の独立プロ商法:困難な独立プロの経営を成功させた新藤エネルギーの秘密
2大シナリオ特別一挙掲載:母
特集 シナリオの現状 シナリオライター21氏に問う:失われた好奇心
特別グラビア:「母」の新藤組
シナリオ:チ・37号事件
座談会 アート・シアターの1年 スタートしてから1周年をむかえたアート・シアターの実績と今後の問題点をクロース・アップする:出席者 川喜多かしこ×南部圭之助×新藤兼人×尾崎宏次
1962年度ベスト・テン特別グラフィック 旬報賞に輝く人々:脚本賞 新藤兼人
キネマ旬報賞を受賞して:
特集 シナリオライターの座:シナリオライターの位置 書斎で着物の時代は終った
特別グラビア:「人間」の新藤組
シナリオ:盲目物語 大映京都映画
シナリオ:青べか物語 東京映画
まっすぐな発想:
初春だより:
「裸の島」讃 :新藤兼人監督への感謝
特別講座 だれにでもシナリオは書ける 100万人のシナリオ作法:作家であること／作家として何をするか／いかに表現するか／シナリオ・ハンチング／構成／映像の問題／伏線／セリフ／ト書／環境描写／生活描写／情成描写
シナリオ:家庭の事情 大映東京映画
クロース・アップ:新藤兼人
特別講座 映画とテレビのシナリオ:2 二つのドラマツルギー
シナリオ:石原慎太郎作「挑戦」より 愛と炎と 東宝映画
特集 演出における私の角度:ライター的感覚
新東宝作品:私たちは天使じゃない
新藤兼人:溝口健二の後継者
新藤兼人:脚本家から監督へ
特別口絵:「裸の島」の新藤組
孤島の生活詩「裸の島」製作記:
特集 八月十五日の日本映画 あの日わたしはこうしていた 映画人四十余氏の記録:宝塚の穴の中
シナリオ:当りや大将
特集 シナリオ作家・新藤兼人:新藤兼人の歩いた道
特集 シナリオ作家・新藤兼人:技術と馬力と強引さ
特集 シナリオ作家・新藤兼人:新しい映画・新しいシナリオ
特集 シナリオ作家・新藤兼人:新藤兼人映画化全作品リスト
シナリオ:貴族の階段
「名作シナリオ集」松竹作品:からたち日記
シナリオ:電話は夕方に鳴る
特別口絵:「第五福竜丸」の新藤組
シナリオ:夜の素顔
シナリオ:夜の素顔 作者の言葉
「第五福竜丸」のシナリオ・ハンティング:タロス・ザ・マミー
シナリオ:第五福竜丸
シナリオ:第五福竜丸 作者の言葉
テレビと映画監督・脚本家アンケート:市川崑／井上梅次／宇野重吉／五所平之助／新藤兼人／豊田四朗／増村保造／吉村公三郎／白坂依志夫／菊島隆三／八住利雄
特別口絵:「悲しみは女だけに」の新藤組
キネマ旬報無題欄:八月二十四日
シナリオ:禁じられた唇
シナリオ:禁じられた唇 京の女
特集 大型映画の新らしい時代:大型映画アンケート
「名作シナリオ大集」東京映画:ひかげの娘
特別座談会:新春清談 シナリオライターの夢と現実
「戦後十年傑作シナリオ集」松竹映画 1947年作品:安城家の舞踏会
研究 新藤兼人:新藤兼人論
研究 新藤兼人:新藤兼人小伝
研究 新藤兼人:新藤兼人演出の焦点
研究 新藤兼人:自作を語る
旬報論壇:新藤兼人論
キネマ旬報映画講座第1部第11講:シナリオの構成技術 下
キネマ旬報映画講座第1部第10講:シナリオの構成技術 中
キネマ旬報映画講座第1部第9講:シナリオの構成技術 上
名作シナリオ集:女優
特別口絵:
劇団民芸:あやに愛（かな）しき
シナリオ:銀心中
シナリオ:銀心中 作者の言葉
日本映画第一線の動き:新藤兼人の「狼」
シナリオ:銀座の女
映画批評・二つの討論:座談会 映画・批評・ジャーナリズム 津村秀夫×新藤兼人×岡本博
研究 吉村公三郎:協力者として
吉村公三郎監督作品 足摺岬:脚本 新藤兼人 原作 田宮虎彦
「足摺岬」と吉村・新藤:
アンケート形式による新人監督会議:市川崑／井上梅次／内川清一郎／加戸敏／小林恒夫／小林正樹／斎藤達雄／志村敏夫／新藤兼人／杉江敏男／鈴木英夫／田坂勝彦／西村元男／長谷部慶治／堀内真直／本多猪四郎／松林宗惠／丸山誠治／毛利正樹／安田公義／若杉光夫
映画人クロースアップ（グラフィック）:新藤兼人
特集 シナリオ作家ぐりんぷす:黑沢明・木村惠介・新藤兼人
シナリオ作家の精神と技術:
脚本:暴力 （吉村公三郎監督作品）
新藤兼人論:
シナリオ:源氏物語
シナリオ:誰が私を裁くのか
シナリオ:自由學校 （原作 獅子文六・監督 吉村公三郎 大映作品）
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