1948年、『ニューヨーカー』誌に発表した短編『くじ』が一大センセーションを巻き起こし、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイ(エリザベス・モス)は、なかなかスランプから抜け出せずにいた。小説の題材となったのは、ベニントン大学に通う18歳の少女ポーラが突如として消息を絶った未解決の失踪事件。同じくベニントン大学の教授である夫のスタンリー・ハイマン(マイケル・スタールバーグ)は、引きこもっているシャーリイの機嫌をとり、執筆に向かわせようとするが、うまくいかない。そんな二人の前に現れたのは、文学部でスタンリーの補佐として職を得たフレッド(ローガン・ラーマン)と妻ローズ(オデッサ・ヤング)の夫婦。バーモント州の学園都市へ移住を計画していたスタンリーとローズだが、新居が見つかるまでの間、無料で部屋と食事を提供するので、家事や妻の世話をしてほしいと、スタンリーから半ば強引に言いくるめられ、何も知らないスタンリーとローズの夫婦は、シャーリイとスタンリーと共同生活を送ることに。当初は他人が家に上がり込むことを嫌っていたシャーリイだったが、ひどい扱いを受けても懲りずに自分の世話を焼くローズを通じて、次第に執筆のインスピレーションを得ていく。一方のローズはシャーリイの魔女的なカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていく。しかし、この風変わりな家に深入りした若い夫妻は、やがて自分たちの愛の限界を試されることに……。