5年前の事故で記憶と言葉を無くしたチャロ(卯ノ原圭吾)は、夜は牛乳配達、昼は大学の清掃員として働きながら、浮浪者のたつお(米元信太郎)とともに平和に静かに生きている。大学生の美華(東宮綾音)は山の手の住宅地にある大学へ通い、富裕層の友達に囲まれ、一見キラキラな大学生活を送っているようだが、実は学校の友達には内緒の実生活があった。夜は借金のためスナックでバイトし、姉のように慕う童話作家のエル(芽衣子)の家に入り浸っていた。普段から、大学の友達と自分の価値観の差に戸惑う美華を、エルは「住む世界が違う」と諭す。ある深夜、スナックの閉店後に帰路に着く美華のもとへ闇金が返済を迫る一部始終を、牛乳配達のチャロが見ていた。言葉も通じないチャロと美華は出会い、一生懸命何かを伝えようとするチャロの姿に、美華は好感を持つようになる。ある事件をきっかけに二人は急接近し、平和な時間が流れるかに見えた。しかしある人物が現れ、エル、たつお、学校の友達をも巻き込み、事態は急展開していく……。