1973年5月26日土曜日、ニューヨークのセントラルパーク内、グレートローン。シンガーソングライターのキャロル・キングは、故郷ブルックリンから14マイルも離れていないこの場所で、無料の凱旋コンサートを開催する。1971年に発表されたアルバム『つづれおり』が大ヒットしたにもかかわらず、ほとんどライブパフォーマンスを行っていなかったキャロルのニューヨーク帰還ということもあり、推定10万人以上のファンが詰めかけた。意欲作『ファンタジー』のリリースを数週間後に控え、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、ハーヴィー・メイソン(ドラムス)、トム・スコット(サックス)といったレコーディングメンバーを迎えて新たな境地を披露したキャロル。『イッツ・トゥー・レイト』『君の友だち』など、『つづれおり』からのヒットナンバーを含む全18曲を歌い上げた。