1976年、カリブ海の小国ジャマイカ。独立後の混乱から政情が安定せず、二大政党の対立により国民は分断されていた。30歳にしてすでに国民的アーティストになっていたボブ・マーリー(キングズリー・ベン=アディル)は、彼の人気を利用しようとする国内の政治闘争に巻き込まれ、同年12月3日、暗殺未遂事件が起こる。その2日後、ボブは怪我をおして、その後伝説となった『スマイル・ジャマイカ・コンサート』のステージに立つ。しかし、身の危険からすぐにロンドンに逃れ、タイム誌に「20世紀最高の名盤」と評されるアルバム『エクソダス』を制作。ヨーロッパ主要都市を周るライブツアーを敢行する。ボブはローリング・ストーンズやザ・クラッシュと肩を並べ、世界的セレブリティの階段を駆け上がるが、母国ジャマイカの政治情勢はさらに不安定になり、内戦の危機が迫っていた。深く傷ついたジャマイカを癒し、内戦を止められるのは、アーティストであり国民的英雄であるボブだけだった……。