1985年に公開された黒澤明監督「乱」。当時大学生だった河村光彦はメイキング撮影班として現場に参加した。彼とその仲間たちが1984~85年に記録したその素材は約150時間分。その素材を基にメイキングやTV特番が発表されたが、それらは河村の手から離れてつくられたものだった。黒澤明の没後、1998年、その撮影素材テープが発見されるが、当時の記録媒体はアナログの3/4インチのテープ素材。河村はこの素材の一部(70時間分)をデジタル化し、編集を開始、各プロダクションや出演者の許諾を得て本作が完成した。黒澤監督のすぐ側で、その仕事、その人となりを目の当たりにしながら、メイキング映像の撮影に取り組んできた河村光彦が、世界のKUROSAWAの実像に迫る。