<ワルツ>かつてローズランドで、夫のエディと“ダンスの名人”と評判だった未亡人メイ(テレサ・ライト)は、今日も夫との思い出を他人に聞かせ、追憶にひたっている。そんな彼女にほのかな思いを寄せているスタン(ルー・ジャコビ)はダンスを申し込む。そして彼と踊る時だけ、メイはエディとの若く美しい頃の姿が、彼女だけの幻となって鏡に写って見えるのだった。やがてメイに自分の心をうちあけるスタン。それによって初めてメイは、孤独な自己を解放することができるのだった。<ハッスル>ローズランドで未亡人ポーリーン(ジョアン・コープランド)の誕生パーティが開かれた。メンバーは彼女の親友でダンス教師のクリオ(ヘレン・ギャラガー)、ジゴロのラッセル(クリストファー・ウォーケン)、そして夫に離縁され、自立するために職を探しているマリリン(ジェラルディン・チャップリン)。ラッセルにとってマリリンの存在は新しい刺激で、ふたりは心魅かれあうが、やがて彼女の現実的な愛はラッセルにとって重荷になってゆく。こうしてマリリンは、彼と訣別すべく夕暮れの町を歩き始めるのだっだ。<ピーバディ>ローズランドのピーバディ・コンテストで優勝を夢みるローザ(リリア・スカラ)は、アーサー(デイヴィッド・トマス)を相手に特訓を重ねるが、不器用な彼はなかなか上達しない。だがそんなある日、アーサーが突然息を引きとったことを聞き、ショックでダンス・フロアに立てないローザは、なじりながらも楽しかったアーサーとの思い出にひたるのだった。