本作は2013年、ローマ教皇がイタリア・ランペドゥーサ島を訪れるところから始まり、2022年、コロナ禍のマルタ共和国への訪問までを描いている。難民問題、紛争に苦しむ中東やアフリカのほか、アメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦や、被爆地である日本にも足を運んだ。また、カトリック教会で起きた性的虐待について謝罪する姿も収めている。教皇は「旅とは知的で精神的な修行だ」と語り、世界各国へ自ら赴き、市井の人々が住む場所で会い、彼らの生活や苦悩を直接学ぶことを大切にしている。笑顔で手を振るだけでなく、握手や触れ合い、直接話を聞くことを拒んだりはしない。本作では、世界の様々な問題に耳を傾け、出会い、語る教皇らしい姿だけでなく、明るく飾らない人間性も垣間見ることができる。