2014年2月、ウクライナの首都キーウの独立広場で、当時の親ロシア派のヤヌコビッチ政権に反対した市民や学生が軍や警察と衝突し、多くの死傷者が出た。ウクライナ人の尊厳を守るための闘いといわれる“ユーロ・マイダン革命”である。この騒乱の真っただ中、広場でバリケードにされようとしていた一台のピアノを、音楽院の学生アントネッタ・ミッシェンコが救い出す。厳寒の広場で若きアントネッタが演奏するショパンが人々の心を掴んでゆくなか、世界的に有名な作曲家であるリュドミラ・チチュクや兵士のヴォロディミル、覆面の男ボーダンも演奏に参加。政権側は彼らを“ピアノ過激派”と呼んだ。そんな広場のピアノと4人の英雄は、やがてウクライナの平和革命の象徴となり、同時に権威主義的支配への抵抗となってゆく……。