フランスのある田舎町にみなし児の少女リリー(レスリー・キャロン)がやって来た。彼女は今年16歳、父に死なれてこの町に知人を頼ってきたのだったが、その人はもうこの世にいなかった。途方にくれたリリーは、思いがけなく、見世物の若い魔術師マーク(ジャン・ピエール・オーモン)に救われ、見世物小屋の給仕娘に雇われた。だがリリーは、マークの颯爽とした舞台姿にすっかり熱をあげてしまい、仕事の方はまるでお留守にしたので、たちまちクビにされてしまった。リリーは悲しみのあまり自殺しようとしたが、人形芝居の人形たちが彼女を優しくなぐさめてくれたので、彼女の心も明るくなった。これは人形使いポール(メル・ファーラー)の計らいだった。彼は人形を巧みに操ってリリーに話しかけたのだが、リリーは人形がほんとに話したのだと思い込んだ。ポールはリリーを一座に加え、彼女を人形たちと一緒に芝居させることにした。やがてポールはリリーを深く愛するようになったが、彼は不具の身を恥じて打ち明けることが出来なかった。かつてポールは有名なバレーの踊り手だったのだが、戦争で脚を負傷したので人形使いになったのだ。彼はリリーがマークに想いを寄せていることを知って、余計怒りっぽくなった。ある日、マークはある大ホテルに出演するため、相手役のロザリー(ザ・ザ・ガボール)と一緒にこの町を去って行くことになった。リリーは驚いた。しかもマークとロザリーは内密に結婚もしていたのだ。夢中になってマークの後を追おうとするリリーをポールは強く引きとめた。だがそれはリリーの気持ちをいよいよマークの方へつのらせるばかりだった。リリーは荷物をまとめて果てしない田舎道を歩いて行った。彼女の頭にはいろいろな想い出が駆けめぐっていく。彼女は懐かしい人形たちと次々に踊っていた。踊っているうちに人形たちはきまってポールの姿になってしまう。リリーはやっとポールの優しい愛情に気がついた。彼女は一目散に道をとってかえして、ポールの腕に抱かれた。