大正・昭和・平成・令和と4つの時代を生きた寂聴が語る“恋愛”、“創作”、“家族”、そして“波乱万丈の人生”とは……。死の直前まで月刊誌、新聞の連載をこなす“現役”作家であり、2020年1月まで行っていた、月一回の法話に全国から人が押し寄せる“最長寿の国民的アイドル”でもあった。駆け落ち、不倫、三角関係など、自らの体験を私小説の形で次々と発表し、世間のバッシングに晒されながらも、女流作家として不動の地位を確立。51歳のときに出家して以来、僧侶、作家の2つの顔を持つ。いつまでも恋心を持って生きる。女性であることを忘れず、人生を楽しむ。彼女の“生き様”は、不寛容な空気が充満しつつある現代社会で、人間の生命力とは何かを強く感じさせてくれるものであり、“いかに生き、老いていけばいいのか”というヒントにもなるはずだ。高齢化社会を生きる現代人に向けて、大きなメッセージともなるに違いない。