1985年、夏。被差別部落が隣接する大阪西成区北部の中学校。人々の差別と偏見、貧困など多くの問題を抱えた環境の中で、生徒たちは荒んだ学校生活を送っていた。蒲益男(山中アラタ)をはじめとする教師たちが手を焼くなか、臨時教員として23歳の加藤(折目真穂)が赴任してくるが、初日から生徒に受け入れてもらえず自信を喪失してしまう。蒲は「今、子どもらは加藤先生を試しとるんや、ただ教師と生徒の関係ではアカンねん」と、得意の野球で生徒と向き合うことを勧める。案の定、反発する野球部員は勝負に勝てばコーチとして認めると豪語するもあっさり敗北。その後、加藤はチャーコという愛称で呼ばれるようになる。登校拒否になった転校生、家庭を顧みない母親、酒浸りで在日朝鮮人の父と暮らす女生徒、出身地を恋人に告白することができない卒業生、服役中の父親に代わって家庭を支える野球部主将……。教師たちは、時には生徒の家庭へ強引に入り込み、それぞれの事情を抱えた生徒たちと正面から向き合ってゆく……。