ビリー・ザ・キッドの映画を撮るサミュエル・フラー監督一行を見つめるスタントマンのカンザス(デニス・ホッパー)は、毎夜繰り広げられるクルーの乱痴気騒ぎに嫌悪感を抱いていた。撮影終了後も村に残った彼は、ペルー女性のマリア(ステラ・ガルシア)と平穏な生活を送るが、金採掘にうつつをぬかす友人ネヴィル(ドン・ゴードン)を通じて知りあった金持ちのアメリカ人夫婦一行との酒とドラッグに溺れた日々の中で、次第にアイデンティティを失ってゆき、この腐敗の象徴とも言うべきアメリカ人の妻(ジュリー・アダムス)から侮辱されたことにより、不条理の世界へとはまってゆく。やがて彼はインディオ達の儀式--虚構ではなく現実の世界で映画撮影を再現するそれに加わってゆく。決闘シーンも実弾で行なわれるこの撮影の中で、縛り首になる役を演じ牢に閉じ込められたカンザスは、脱獄の後、肩を撃ち抜かれ、現実とも幻覚ともつかない恍惚の中で息絶えるのだった。