古代のアラビア半島を席巻する脅威。それは、貿易都市メッカを目指して進軍を続けるアブラハ(声:黒田崇矢)の軍隊の存在だった。平和的な解決を望むメッカの民は、戦いを避け、アルファダの山に避難。ところが、アブラハの軍隊は、あまりに無慈悲な条件を突きつけてくる。その要求とは、“カアバの神殿と聖なる石の破壊”、“信仰を捨てること”、“奴隷になること”というものだった。怒りに震えたメッカの民は、戦いを決意。青年アウス(声:古谷徹)は、志願兵としてその戦いに加わる。だが、活躍を期待されるアウスには、人に言えない過去があった。実は子どもの頃、盗賊団に両親を殺されて以後、盗賊として罪を重ねながら生きてきたのだ。その罪多き人生は、盗みに入った家で陶工のジュバイルと出会うことで大きく変わった。悪の道から足を洗い、ジュバイルの養子となったアウスは、成長してジュバイルの娘ヒンド(声:三石琴乃)と結婚、息子ワハブに恵まれる。アウスは、自らの贖罪と、今の幸せな生活を守るため、剣を取ることを決意したのだ。迫りくるアブラハの軍隊は、メッカの民の戦意を喪失させるため、ゾウの軍団を見せつけて兵士たちの動揺を誘い、降伏を勧告する。怯える味方を立て直したのは、アウスと傭兵ズララ(声:神谷浩史)だった。だが、かつて盗賊団で仲間だったアウスに反発するズララ。それでもアウスは、ズララに信じる力による奇跡の物語を語った後、ズララと剣を交え、かつての友情を取り戻す。一方、メッカの軍隊のリーダー、ムサブは、先手を打つため、アブラハ軍に代表戦を申し込む。メッカ軍の代表はアウス、ズララ、小隊長ニザール(声:中村悠一)の3人。アブラハ軍はこれを受け入れ、同じく3人の兵士で迎え撃つ。こうしてアブラハ軍とメッカの民の戦いが幕を開けるが……。