外見は地味で、目立った特徴もないハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は、郊外にある自宅と職場の金型工場を、路線バスで往復する退屈な毎日を送っていた。この世の理不尽なことはすべて受け止め、決して歯向かうことはない。そのため、妻からは距離を取られ、息子からリスペクトされることもない。世間から見れば、どこにでもいる、何者でもない男だった。ある夜、郊外の自宅に2人の強盗が押し入ってくるが、暴力を恐れたハッチは、父親らしく反撃することが出来なかった。この事件をきっかけに、ますます家族の失望を買い、同じ職場の義弟からもいちゃもんをつけられたハッチは、胸の中でふつふつとした怒りを湧き上がらせていく。そんなある日、バスの車内でチンピラと遭遇したハッチは、“ジジイ”呼ばわりされたことで、遂にブチ切れ、大乱闘を繰り広げる。しかしこの事件はその後、ロシアンマフィアへと繋がり、街頭での銃撃戦からカーチェイスへ、派手にエスカレートしていく……。