電動車椅子を使って生活する石田智哉監督は、しょうがい者の表現活動の可能性を探ろうと取材を開始。演劇や朗読で活躍する全盲の俳優・美月めぐみ、ろう者の通訳の育成にも力を入れているパフォーマーの佐沢静枝ら、多様な”ちがい”を橋渡しする人たちを訪ねていく。対話を重ねながら、映画の作り方も変化していった。やがて石田自身の心と体に大きな転機が訪れる。振付家でダンサーの砂連尾理は、しょうがいを”コンテクストが違う身体”という言葉で表現。「車椅子を降りた石田くんがどんなふうに動くのかを見てみたい」と誘われ、石田もパフォーマーとして舞台に立つことに。それは、多様な動きが交差するダンスという関係性の網の目に自らをあずける体験でもあった。