1972年1月13日、14日、ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で、“ソウルの女王”と呼ばれたアレサ・フランクリンによるライブが行われた。そこで収録されたライブ・アルバム『AMAGING GRACE』は300万枚以上を売り上げ、史上最高のゴスペル・アルバムとして今もなお評価されている。その感動的な夜の記録が、ついに映像で蘇る。コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、バーナード・パーディー(ドラム)らに加えサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊をバックに、アレサが自らのルーツであるゴスペルを歌い上げ、伝説となっているこのライブは、実はドキュメンタリー映画としてシドニー・ポラックによって撮影されていた。アルバム発売の翌年に公開される予定だったが、カットの始めと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることができず、未完のまま頓挫していたのだ。長年の月日を経て、テクノロジーの発展により、ついに映画が完成。音楽史を塗り替えたと言われる幻のライブが、スクリーンに登場する。