大金持のジェームズ・ハーバートは健康が勝れなかったが命旦夕に迫ったと知ってか親戚を呼び集めて岡の上の別邸には何者も立ち入ってはならぬことと覆面の女が訪れて来て手紙を請求する迄預かって置いてくれと頼んだ。頼まれながら名に当たるラックハム婦人はお人好しの夫をせき立てて岡の家へ訪ねた。彼女は破ってはならぬと言われた手紙を開いて見て岡の家に巨額の財産が隠してあることを知ったのである。すると後からナンシーも金を目当にやって来た。妹を気づかって兄のビリーもやって来た。ところがこの岡の家には気の狂った医者と不可思議な挙動をする管理人とハーバートの看護婦と今1人記憶を喪失した半狂乱の女とがいて善良なラックハムを恐れ慄かせた。ラックハム夫人は怖さは怖いが欲が深いので目的の金を探し出す迄は此の家を去らぬ決心をして探し廻った。ビリーは看護婦が救いを求めるので彼女を守るべく一生懸命に駆けまわった。ところが此の妖怪屋敷には更に黒衣覆面の怪人が出没して皆の行動を伺っていた。そして遂に彼の覆面が除かれた。すべての奇怪事が明るみに出される。此の覆面の怪漢は果たして何者であろうか。