アフリカ・スーダン。1956年の独立後、海外で映画を学んだイブラヒム、スレイマン、エルタイブ、マナルの4人は、スーダンで映画を製作してきた。彼らは、母国スーダンに映画文化を根づかせようと、1989年に「スーダン・フィルム・グループ」を設立するが、同年、軍事独裁政権が誕生し言論の自由は奪われ、映画は発禁処分となり、彼らは政治犯として拘禁されたり、国外への亡命を余儀なくされた。その後も、2003年にダルフール紛争、2011年には南スーダンの分離独立などが続き、スーダンの映画産業は崩壊、かつての映画館も廃れてしまう。そんな状況下、還暦を過ぎた4人は、母国スーダンで再会。“映画を再びスーダンの人々のもとに取り戻したい”というスローガンを掲げ、一夜限りで映画館を復活させようと奔走する。放置された映画館を清掃し、若者たちに上映したい作品をリサーチ。着々と上映の準備を進めていくが、電気もままならない生活環境に加え、独裁政権下のスーダンでの上映は困難を極めるものだった。だが、映画への愛に溢れ、苛酷な人生を経験した彼らは、様々な障壁にぶつかっても臆することはなかった……。