<第一幕>刑務所の中庭。刑務所長ロッコ(ゲオルク・ツェッペンフェルト)の娘マルツェリーネ(アマンダ・フォーサイス)は、門番の青年から結婚を申し込まれる。しかし、マルツェリーネは最近赴任した青年フィデリオ(リーゼ・ダヴィドセン)に夢中で、恋をしていた。ところが、フィデリオの正体はレオノーレという女性だった。政治犯として監獄に囚われた夫フロレスタン(ディヴィッド・バット・フィリップ)を捜し、救出する目的で、男に変装して看守の仕事に就いていたのだ。所長のロッコもまた、フィデリオの正体を知らないまま、彼を気に入り、娘の婿に迎えようとしていた。そんなある日、夫の近くに行こうと機会を捜していたレオノーレの元に、ドン・ピツァロ(シモン・ニール)の来訪が伝えられる。ドン・ピツァロは、フロレスタンの最大の敵だった……。<第二幕>ドン・ピツァロは、フロレスタンを亡き者にしようとしていた。大臣となったドン・ピツァロは、ロッコに違法な処刑の準備を指示し、見返りに多額の報酬を約束する。ロッコに連れられ、地下深くの牢獄に向かい、墓穴を掘るよう指示されるフィデリオを装ったレオノーレ。ようやくフロレスタンと再会するが、彼は過酷な地下牢の生活で心身共に衰弱し、レオノーレの顔の判別もつかない程だった。果たしてレオノーレは、絶体絶命の夫を救い出すことが出来るのか……?