『イパネマの娘』『想いあふれて』などボサノヴァファンならずとも耳にしたことのある数々の名曲を手がけ、類稀なるギター演奏と甘美な歌声によって世界中にその名を知らしめたジョアン・ジルベルト。ボサノヴァの神と称される伝説的ミュージシャンの彼は、2008年8月26日にリオ・デ・ジャネイロで開催されたボサノヴァ誕生50周年記念コンサートへの出演を最後に公の場に姿を現すことがなくなった。ブラジル音楽を敬愛するフランス人監督ジョルジュ・ガショは、ジョアン・ジルベルトに会うためにリオ・デ・ジャネイロに出向き懸命に追跡した顛末を著した『オバララ ジョアン・ジルベルトを探して』の出版1週間前にジョアンに会えないまま自ら命を断ったというドイツ人ジャーナリスト、マーク・フィッシャーの旅に強く共鳴。マークの夢を実現すべく、ジョアンゆかりの人々や土地を訪ね、ブラジル中を巡る。