デンマークから28歳の新人教師アンダース(アンダース・ヴィーデゴー)が、グリーンランド東部にある人口80人の村、チニツキラークの小学校に赴任する。家業の農業を継ぐか否かを迷った末の“自分探し”の選択だったが、そんな甘い考えはすぐ打ち砕かれる。極寒の地の慣れない生活に加え、言葉も習慣も異なる10人の生徒たちとうまくなじめず教室は散々な有様で、さらに“ヨーロッパのよそ者”への視線は厳しく、村人からも孤立していた。そんなある日、生徒のアサーが連絡もなしに学校を一週間欠席する。アンダースは心配してアサーの家を訪ねると、祖父のガーティと犬ぞりで狩りの旅に行っていたという。アンダースは祖母のトマシーネに毎日学校に来させるよう伝えるが、アサーの夢は猟師になることで、人生に必要なことはすべて祖父が教えてくれるとアンダースの意見を受け入れない。デンマーク語を教える以外に、アサーのためにできることをアンダースは模索する……。