3.11から8年。会津若松市役所職員・楠穀平(隆大介)は、ある日、原発最前線であるフクシマ県楢穂町役場に出向を命じられる。配属先は特別震災広報課。同僚には紅一点の石井ユカリ(柳沢なな)をはじめ、個性的な面々(関口晴雄、伊嵜充則、飯田孝男)が揃っていた。穀平は役場の助役・村井(寺田農)に連れられ、フクシマの各所を訪れる。津波で押し流された地区、未だ復旧しない鉄道、終わらない除染、セシウムが降り積もった帰宅困難地域の村……。フクシマの現状とそこで生活する住民や作業員たちの現実を目の当たりにする穀平だったが、案内する村井は終始笑顔を絶やさない。一方、穀平の娘で小児科病院に勤務するハルカ(デコウトミリ)は、入院する子供たちの現実に胸を痛めていた。やがてハルカは、そこにいない誰かと話す男の子が気になり始めるのだった。そんなある日、穀平は村井から、近々開催される「原子力研究所副所長就任を祝う会」を円滑に楽しく進められるよう言い渡される。そして当日。会に臨んだ穀平は、カゲキに陽気に盛り上がる異様な大宴会を目撃する……。