世界中の図書館員の憧れの的であり、ニューヨーク有数の観光スポットであるニューヨーク公共図書館。荘厳な19世紀初頭のボザール様式で知られる本館と92の分館からなる世界最大級の知の殿堂であるこの図書館は、作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラー、トム・ウルフ、画家アンディ・ウォーホルなど、文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきた。また、世界有数のコレクションを誇りながら、ニューヨーク市民の生活に密着した敷居の低さもある。その活動は、図書館の仕事に対する人々の固定観念を打ち壊し、驚かす。映画にはリチャード・ドーキンス博士、エルヴィス・コステロやパティ・スミスなど著名人も登場するが、カメラは、観光客は決して立ち入れない、図書館の舞台裏を見せていく。図書館の資料や活動に誇りと愛情をもって働く司書やボランティアたちの姿や、何度も繰り返される幹部たちの会議における丁々発止の意見のやり取りは目が離せない。