アートの都としても有名な水の都、ヴェネツィア。この地には、個人のものとしては質・量ともに世界最大級のコレクションを有する美術館、ペギー・グッゲンハイム・コレクションがある。ニューヨークの裕福な家系に生まれたペギー・グッゲンハイムは伝統と格式だらけの世界から逃れるため、20代の頃、単身ヨーロッパへ渡る。第一次大戦後の開放的な雰囲気にあふれるパリで、まだ価値を認められていなかったシュルレアリスムや抽象絵画のような同時代の革命的な表現に出会い、自由を謳歌する反骨的な芸術が肌になじんだペギーは、芸術家たちを支援する傍ら、現代美術のコレクター、そして伝説のパトロネスへと転身を遂げていく。本作はペギーの生前に収録されたインタビューに基づき、20世紀美術の綺羅星のような芸術家たちとの愛の遍歴も含め、常人には真似のできない胸のすく人生と、華麗な生の魅力を描き出す。