外国の音楽や映画を厳しく制限してきた北朝鮮政府が、2015年、日本による植民地支配からの解放を祝う祖国解放記念日(リベレーション・デイ)に向け、初めて欧米系のロック・バンドを招待。白羽の矢が立ったのは、スロベニア(旧ユーゴスラビア)出身で、ナチスを彷彿させるパフォーマンスを繰り広げ物議をかもすライバッハというバンドだった。彼らは、コンサートではオリジナル曲以外に映画「サウンド・オブ・ミュージック」の曲を披露すると宣言。しかし到着後すぐさま検閲に通すとして空港でコンサート用の機材を没収されるなど、想像を超える厳しい監視体制が一行を待ち受けていた。コンサートに向け準備をはじめても会場のスタッフとは話がかみ合わず、苛立ちを募らせるメンバーたち。さらにバンドのリーダーが禁じられているにも関わらず勝手に町を散策し、一触即発の事態に。コンサートまで刻一刻と迫りつつあるにも関わらずアクシデントが続出する。加えて北朝鮮と韓国との間で重大事件が発生。歴史的コンサート開催に向けた悪戦苦闘の日々を追う。