1991年に出版され、世界中のバーでバイブルとなった革新的レシピ本『シューマンズ バー ブック』の著者である伝説のバーマン、チャールズ・シューマン。ミュンヘンで35年以上不動の人気を誇るバーのオーナーであり、76歳を超えた今も現役でカウンターに立ち続けている。そんな彼はドイツ国境警備隊、外交官事務所勤務を経て、イタリアやフランスのバールやレストランで経験を積んだ後、ヨーロッパではホテル以外にバーがなかった1983年、ミュンヘンのマキシミリアン広場に食事もできるバーをオープン。敷居が高いホテルのバーから路面店へ。それは自由に生きてきた彼だからこその着眼点であった。それから35年。成功も名声も手にしたシューマンが、もう一度バーの原点を求め、“バーベスト10”に入る世界各地の名店を訪れる。ニューヨーク“エンプロイーズ・オンリー”、“ザ・デッド・ラビット”、パリ“バー・ヘミングウェイ”、ハバナ“エル・フロリディータ”、東京“スタア・バー・ギンザ”、“銀座 テンダー”……。新しい感性から伝統まで、バーにはその街の魅力がつまっている。一杯のカクテルに込められた職人魂にバーカルチャーの奥義。そして旅の最後にシューマン自身がたどり着いた境地とは……。