フランス・パリ。眼と記憶力の良さを生かし強盗団に加担するピエール・ウルマン(ニールス・シュネデール)のもとに、ある日、父ヴィクトルが死んだとの知らせが入る。ベルギー・アントワープのダイヤモンド商家の家に生まれたヴィクトルはダイヤモンドの研磨を継いだが、研磨機に手を挟み指先を失い、以後精神を病み消息を絶っていた。父が生家から追放され数十年の苦悩ののち野垂れ死んだのに対し、伯父ジョゼフ(ハンス=ペーター・クロース)はダイヤモンド会社を継ぎ財を成しており、憤るピエールは一族への復讐を誓う。ジョゼフの息子ガブリエル(アウグスト・ディール)から会社の内装工事を手伝ってほしいという申し出を受け、一族に入り込みダイヤモンドを盗み出すことを計画。アントワープに移ったピエールは、父の痕跡を求め、また強盗の計画のため研磨作業所の細工師リック(ジョス・フェルビスト)のもとへ通ううちにダイヤモンドの魅力に取りつかれ、父から受け継いだ血が騒ぎだすのを感じていった。研磨の才能を開花させ徐々にジョゼフの信頼も得ていく中、会社がかつてないほどの大きさのダイヤモンド4つを競り落としたとのニュースが入り、復讐の計画が動き始めるが……。