パリ郊外。モント=ラ=ジョリーに暮らすクレール(カトリーヌ・フロ)は、女手ひとつで息子を育てあげてきた。長年続けてきた助産師の仕事に誇りを持ちつつも、自分の生き方を振り返る時間もなく、気づかぬうちに疲れ果てていたある日、1本の電話が入る。その相手は、30年前に突如姿を消した血のつながらない母、ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)だった。“父に会いたい”という突然の連絡に困惑するクレール。実はクレールの父は、ベアトリスが突然姿を消した事が耐えられず、自殺していたのだ。そのことが原因で、クレールはベアトリスを許せずにいた。真面目なクレールに対して、お酒とギャンブルが好きで自由な人生を謳歌するベアトリス。そんな身勝手なベアトリスにあきれつつも、クレールは全てを失って戻ってきた彼女の事を放っておけなかった。やがて、ベアトリスの古い秘密が明らかになるにつれ、2人の間の失われた年月が埋まってゆく。そしていつしかクレールは、ベアトリスの生き方に影響され、人生の扉を少しずつ開き始める……。