かつて織物産業で盛えた群馬県桐生市。老舗の織物工場で働く無口な熟練の織物職人・耕平（中村まこと）は、いつものように黙々と仕事をこなしていた。そこへ現れた工場の二代目社長（古川順）は、傷のために返品された帯を見せ、工場の経営難を理由に、もっとしっかり働くよう耕平を責める。気分転換に出掛けた理髪店で耕平が出会ったのは、見慣れない少女めぐみ（錦織めぐみ）。踊るようにステップを踏みながら、華麗に箒を操るその姿に目を奪われる。さらに、散髪後のシャンプーで不意に目が合ってドギマギ。彼女のことが気になり、翌日も理髪店を訪れる耕平。しかし、めぐみは用事があるらしく、すぐに出て行ってしまう。店主（金子昌弘）の話によると、彼女は自分の娘で、プロの歌手を目指して駅前のライブハウスで歌っているという。良かったら見に行って応援して欲しいと頼まれた耕平は、生まれて初めてライブハウスに足を踏み入れる。未知の光景に戸惑うその目に飛び込んできたのは、地下アイドル“めめたん”として活動するめぐみの姿だった。驚き、唖然としながらも、ライブが始まった途端、彼女の歌声とダンス、そして優しい笑顔に魅了され、気づくと握手会の列に並んでいた。この日を境に、めめたんにハマって行く耕平。果たして、無口な織物職人の行く先に待ち受けるものとは……？