ラオス北部。NGOで医療ボランティア活動に従事するアメリカ人青年ジョン・レイク(ロッシフ・サザーランド)は、医師としての使命感に燃え、慌ただしい日々を過ごしていた。だがある日、激務に疲れ切った様子を案じた上司のノヴェラ医師(サラ・ボッツフォード)から2週間の休暇を勧告された彼は、ヴィエンチャンからバスに乗り、南部のリゾート地、コーン島を訪れる。夜になって近くのバーを訪れたジョンは、中年バーテンダーのチャイ(ヴィタヤ・パンスリンガム)と意気投合。酩酊して宿に戻る途中、若いオーストラリア人観光客が地元の娘に暴行した現場を目撃する。加害者の男性に詰め寄ったジョンは、顔面に強烈なパンチを受けて理性を失い、相手を何度も激しく殴り返す。やがて我に返ると、被害者の女性からは暴行犯と勘違いされ、加害者の男は既に息絶えていた。自分の行為に恐れをなした彼は翌朝、何食わぬ顔で宿を去ろうとするが、行方不明になった加害者男性の捜索を始めた警官に足止めされる。尋問中、遺体発見の報せが届くと、投獄を恐れて逃走。見知らぬ漁師のボートに乗って島を脱出する。長距離バスの中で一夜を過ごしたジョンは、死亡した暴行犯がオーストラリアの議員の子息で、自分が殺人事件の容疑者として指名手配されていることを知る。さらに警官に気づかれ、車を盗んで必死の逃走を試みる。翌朝、何とかヴィエンチャンに辿り着いたジョンだったが、アメリカ大使館の助けも得られず、自宅に残しておいた金はすでに警察が押収。隣国タイのバンコク経由でアメリカに帰国するという目論見は、もろくも崩れ去る。行き場を失ったジョンに救いの手を差し伸べたのは、顔なじみのラオス人運転手だった。タイへの密入国の段取りを整えてくれた運転手の助言に従い、単身メコン川を渡る。その行く手には、人間性を試される重大な事態が待ち受けていた……。