ある地方都市に暮らすシンジ(佐藤流司)とナオ(佐藤永典)の兄弟。兄のシンジはデート詐欺で若い女を騙し、弟のナオは3人の仲間たちと架空請求詐欺を繰り返す毎日を過ごしていた。かつて2人は一緒に行動していたが、ある事が原因で仲違いし、今は互いに距離を取るようになっていた。シンジは若い女に甘い言葉を囁き、廃墟で待ち受ける仲間のアオイ(赤澤燈)のもとへ誘う。シンジに騙された女が、アオイから貴金属を買うというのが、詐欺の仕組みだった。一方、アジトにしている潰れた映画館で、詐欺の実行犯にさせようと、弱みを握った教師を取り囲むナオだったが、仲間の1人、ダイの裏切りが発覚する……。そんなある日、誰にも打ち明けずにミュージシャンを目指していたシンジは、音楽スタジオの男からデビューの話を持ちかけられる。そのためには、ある程度の金が必要だった。同じ頃、ナオは先輩から不思議な機械を売り捌くよう命じられる。金が必要なシンジと、不思議な機械を売れと命じられたナオ。2人は偶然、ある老婆の家で再会する。自分を詐欺の標的にしようとする兄弟に、親切にも大金を渡す老婆。大金を手にした兄弟はお互いの夢を叶えようと動き出すが、老婆の優しさに触れた2人には、わずかな良心が芽生えていた。同じ頃、以前シンジに騙されたアミが、兄弟やその仲間の事を嗅ぎまわっていた。それは、終わりの始まりでもあった……。