職場と自宅の往復を繰り返すだけの無機質な日々を送るアニア(リリト・シュタンゲンベルク)はある日、自宅のマンション前に広がる森で、一匹のオオカミを見かける。オオカミは彼女をじっと見つめ、森の中に姿を消した。嫌な上司ボリス(ゲオルク・フリードリヒ)にこき使われ、冴えない日々を過ごしていたアニアは、初めて触れる“野性”に心かき乱し、激しく惹かれていく。次第にオオカミに執着するようになった彼女は、あらゆる手を尽くして捕獲に成功。自宅に連れ込む。初めは、狭い部屋で暴れるオオカミに命の危険を感じたものの、次第に“彼”と心を通わせるようになり、それと共に秘められていたアニアの欲望が露わになっていく。狼の虜になったアニアは、食事を用意し、同じ部屋で眠り、まるで恋人のように接し始める。次第に野性に取り込まれ、人間として常軌を逸脱した行動を見せ始めるアニア。その様子に戸惑う周囲の人々。しかし、ボリスはそんな彼女の変化に興味を示す。やがて、心の隙間を埋めるかのように、アニアはボリスと関係を持ってしまう。果たして、人と獣の狭間で生きるようになった彼女を待つ運命とは……。