女性映画監督のマルゲリータ(マルゲリータ・ブイ)は、新作の撮影を開始するが思うような映像が撮れずにいた。恋人ヴィットリオと別れ、離婚した夫との娘リヴィアは反抗期に突入。だがいちばん心配なのは、入院中の母アーダ(ジュリア・ラッツァリーニ)のことであった。マルゲリータの兄ジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)が手作りの料理を差し入れるが、見舞いに駆けつけたマルゲリータに母は家に帰りたいと嘆く。マルゲリータとジョヴァンニは、医師から母の病状は重いと説明され、ジョヴァンニは静かに受け入れるが、マルゲリータは混乱してしまう。撮影現場では、主役を演じるアメリカ人俳優バリー(ジョン・タトゥーロ)が到着。しかし冗談なのかシリアスかわからない発言で周囲を煙に巻く。歓迎のディナーで酒を飲むとハイテンションで深夜まで騒ぎ、マルゲリータは早くも撮影の無事を危ぶむのだった。一方、病状が進行して呼吸困難に陥った母は、集中治療室に入ることになる。気管を切開して声を出せない母に対し、退院してラテン語を教えてくれるのをリヴィアが待っていると励ますマルゲリータ。看護師にあと5分ですと追い立てられると、母はノートに「あなたがいるのがいちばんの治療なのに」と書いて微笑む……。バリーは絶不調で、食堂のシーンでは何度も台詞を忘れ、挙句の果てに脚本のせいにする。マルゲリータも負けずに言い返し、それぞれの鬱憤をぶつけるように二人は激しく罵り合う。重い気持ちを抱えたまま病室へ戻ったマルゲリータは、今度はたったの数歩も歩けない母を怒鳴りつけ、母の胸で泣きじゃくる。ある日、マルゲリータは家にバリーを招待する。手料理でもてなすジョヴァンニと笑顔のリヴィアが作ってくれた和やかな空気の中、バリーは自分が人の顔を覚えられない病気だと打ち明ける。やがて仲直りの乾杯にとマルゲリータとバリーはワイングラスを掲げるのだった……。そんな折、マルゲリータとジョヴァンニは、病院から母が余命わずかだと宣告されてしまう……。