イタリア移民の子だったルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は、盗みやケンカを繰り返す手の付けられない不良だった。兄ピートの励ましもあり、10代のころ、反抗的な力を走りに向けると才能が開花。次々にアメリカの記録を更新し、1936年にはベルリン・オリンピック5000m走に出場。驚異的な記録をマークし、一躍英雄になる。第二次世界大戦がはじまると、ルイは空軍爆撃手に。1943年4月、彼を乗せたグリーン・ホーネット号がエンジントラブルを起こし海に墜落、クルー11名のうち生き残ったのはルイと飛行機のキャプテンであるラッセル・アレン・”フィル”・フィリップス(ドーナル・グリーソン)、後部砲手のフランシス・”マック”・マクナマラ軍曹(フィン・ウィットロック)だけだった。救命ボートに乗り込んだ3人は、茫漠と広がる太平洋上を漂流。飢えや脱水に苛まれる上に、サメや嵐に襲われ、日本の爆撃機に機銃掃射されるなど、過酷な漂流生活の果てにマックが死んでしまう。ルイは正気を保つためにもポジティブに生きようとし、ルイとフィルは47日間耐え抜き、マーシャル諸島に流れ着く。しかし日本海軍に捕らえられ、ルイは東京の大森捕虜収容所に送られた。そして、サディスティックな振る舞いから恐れられていた渡辺伍長に目をつけられてしまう。絶望的な状況下、捕虜たちは日本兵の目を盗んで情報を得ては回覧し、生き延びる手がかりをつかもうとする。しかしある日、メモが見つかり、関わった者に厳しい罰が下った。辛い状況下ながら、ルイの胸には、収容所で出会ったフィッツジェラルド(ギャレット・ヘドランド)の生き延びることが復讐だという言葉や、兄がかつて話した耐え抜けばやれるという言葉があった。そんな中、上層部はアメリカ本国で戦死したことにされているルイをプロパガンダに利用しようとするが、彼は断固拒否。収容所に戻ったルイに、渡辺伍長の残忍な仕打ちが待ち構えていた……。