禁酒法令が解かれた1930年の初頭。ニューヨークのブロードウェイを縄張りとするデュード(グレン・フォード)は若手ながらバクチ打ちから身をおこし、酒の密売からキャバレーの経営者となり、今や親分になっていた。彼は自分が暗殺もされず、警察の手入れを逃れてのし上がれたのは、リンゴ売りのアニー婆さん(ベティ・デイヴィス)から買うリンゴのおかげだと信じていた。彼の女友達クィーニー(ホープ・ラング)は才気と美貌をもって彼のキャバレーを経営していた。シカゴの親分ダーシーが縄張荒らしに乗り込んできたのでデュードは対決しなければならなくなった。お守りのリンゴを買うために彼はアニーの行方を探し回り、やっと彼女が貧しい部屋で酒に酔いつぶれているのを発見した。幼時からスペインの尼僧学校に預けていた一人娘のルイーズがスペイン一の名家ロメロ伯爵(アーサー・オコンネル)の息子カルロスと恋におち、結婚の許しを得にロメロ親子と共にくると言うのだ。娘を喜ばせるために貴婦人であると偽っていたアニーは悲嘆にくれていた。気っぷのいいデュードは一芝居うってアニーを助けようと決心した。にわか仕立てながらアニーは磨き上げられて貴婦人になり、すべてはうまく運ばれそうだった。ところが名簿に見当たらない貴婦人の出現を不審に思った新聞記者がホテルを訪ねてきた。デュードは部下を使って記者を誘拐した。一方の伯爵はニューヨーク社交界を招いてパーティーを開くと言い、デュードをあわてさせたがクィーニーの思いつきで子分と踊り子を紳士淑女に仮装させることになった。次々に記者を誘拐された新聞社からの訴えでデュードに逮捕命令が下った。1人の客も現れないので伯爵やルイーズは不審顔だった。アニーが真実を打ち明けようと決心したとき奇跡が起きた。知事、市長、警視総監夫妻を先頭に名士たちが現れたのである。万策つきたデュードが告白した話に感動した総監が折から開かれていた別のパーティーをそっくり動員したのだった。ロメロ父子とルイーズは満足して帰国し、デュードとクィーニーも正式に結婚し、アニー婆さんのリンゴを売る姿も再び見られるようになった.