ヴァンサン(レダ・カテブ)は射撃のチャンピオン。愛する妻デルフィーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)と子供に囲まれて新居も郊外に建築し、幸せな日々を送っていた。そんなある日、唯一の肉親である父親アルマン(チェッキー・カリョ)が病気で倒れ、ヴァンサンが引き取ることになる。だが、父親の心は荒み、金銭トラブルも抱えていた。そんな父親と一緒の生活に慣れないデルフィーヌは、収入や家のローンの支払いなどで、次第にヴァンサンを責めるようになる。一方のヴァンサンは、問題を起こす父を病院に預けるかどうか悩んでいた。これらの問題を解決するためには、多額のお金が必要だった。そこへ、ヴァンサンの射撃の腕を見込んだルノー(ヨハン・ヘルデンベルグ)という男が、高額の報酬と引き換えに暗殺の仕事を依頼してくる。経済的にも精神的にも追い詰められていたヴァンサンは、この依頼を引き受けることを決意。だが、やがて訪れた父親の死をきっかけに彼の人生も荒れ始め、暗殺の仕事を受け続けて孤独なスナイパーとして暗躍するようになる。ところがある時、ターゲットの暗殺を失敗したことから、妻子との幸せな生活を夢見た建築中の家を焼かれてしまう。自分が組織を抜ければ、家族に危害が及ぶことを悟るヴァンサンだったが、今度は彼自身がターゲットとして狙われることに……。