女流詩人ローズ・エリオット(アイリーン・ミラクル)は、ニューヨークの古い大邸宅に間借り住いをしていた。この彼女にある恐怖感がつきまとうようになったのは、彼女が「3人の母」という本を読んでからのことだった。それは、メイター・サスピリオルム(嘆きの母)、メイター・ラクリアム(涙の母)、メイター・テネブラルム(暗闘の母)という、3人の魔女を扱ったもので、何と偶然にもローズの住む邸は、著者である錬金術師が“暗闇の母”のために建てたものだった。それ以来、何者かに監視されているような恐迫観念に襲われ出したローズは、ローマで音楽を勉強中の弟のマーク(レイ・マクロスキー)に手紙を書いた。しかし、この手紙をマークが見る前に同級のサラ(エレオノラ・ジョルジ)が読んでしまい、「3人の母」に興味をもった彼女は、それが基で何者かに殺された。血まみれで死んでいるサラの部屋で、手紙の断片をひろい、早速、姉に電話したマークは、ニューヨークへと飛んだ。邸では、恐しさのために気も狂わんばかりのローズが、遂に暴風雨の中で惨死した。ニューヨークヘ着いたマークは、女管理人キャロル(アリダ・ヴァリ)に案内され、そこでローズの上に住む病身のエリサ(ダリア・ニコロディー)と会った。部屋にローズがいないことを不審に思ったマークは、じゅうたんの血痕から、不吉な予感を抱き、姉の行方を探した。その間、エリサが何者かに襲われ絶命した。マークはローズに「3人の母」を売った骨董屋カザニアン(サッシャ・ピトエフ)を探しあてるが、そこではそれ以上のことは発見できず、再び邸にもどった。やがて、管理人のキャロルと執事も不可解な死をとげ、唯一生存している車椅子の老人と看護婦に会いに行ったマークは、そこで、全ての秘密を知った。その老人こそ、「3人の母」の著者であり、呪われた邸と共に人人を不幸に追いやった人物だったのだ。そして、この本と邸に関わった人々がすべて死んでいった事実を覆すように、マークだけは、その邸を逃れることができた。後には不気味に燃えさかる邸の姿があるのだった。