第二次大戦中、ナチス占領下にあったオーストリア。歌を愛する修道女見習いマリア(ジュリー・アンドリュース、声の出演:平原綾香)はある日、院長の命令で、七人の子持ちで妻を亡くした退役海軍大佐トラップ(クリストファー・プラマー、石丸幹二)の家の家庭教師をすることになる。軍隊式の規律で守られた厳格な教育方針のトラップ家に戸惑うマリアだったが、大佐が婚約者の男爵夫人を迎えにウィーンに旅立つと、子供たちに音楽の素晴らしさを教える。家に戻ってきた大佐は子供たちの変わりように驚き、マリアを責めるが、子供たちの美しい歌声を聴くと、忘れていた音楽を愛する心を思い出す。数日後、トラップ家でパーティーが開かれる。ナチスの勢力が強くなっていたそのころ、広間に飾られたオーストリア国旗はナチ派の非難の的となる。マリアは大佐と踊ったことがきっかけで彼を愛していることに気づき、修道院に帰る。院長に励まされたマリアはトラップ家に戻るが、そこでは大佐と男爵夫人の婚約発表が待っていた。しかし子供たちがなつかず、大佐がマリアを愛していることを知った男爵夫人は、一人でウィーンへと旅立つ。大佐とマリアは結婚する。大佐の友人マックスは、彼ら一家を音楽祭へ出場させることにする。ハネムーンから帰ってきた大佐に、ヒットラーからの召集令状が来る。祖国を裏切れない大佐は亡命を決意する。音楽祭で故国の民謡を歌ったトラップ家は優勝する。その後、一家は修道院に身を隠すが、長女リーズル(シャーミアン・カー、日笠陽子)の恋人で今はナチに与するロルフに見つかってしまう。しかし、大佐の勇気がロルフに打ち勝ち、難を逃れた一家はスイスを目指して山道を登っていくのだった。