女性アイドルグループNMB48は“アイドル不毛の地”と呼ばれ続けてきた大阪で、2010年に誕生。リリースされたシングル13枚のうち11枚、および2枚のアルバムがオリコンチャート1位を獲得する。難波にある専用劇場での観覧倍率は20倍以上。地元の大阪城ホールだけでなく、東京・日本武道館2DAYSも超満員にするほどの人気である。だがそんな輝かしい記録はNMB48という日本一泥臭いアイドルグループを表現するほんの小さな一面でしかない。NMB48の代表として華々しい活躍を見せ、知名度は48グループでもトップレベルの山本彩。かたや同じ初期メンバーでありながら、一度も選抜メンバーにさえ選ばれず“劇場職人”と呼ばれる沖田彩華。人気の手ごたえに自信をみなぎらせる白間美瑠と、自信を失い自らを追いつめてゆく矢倉楓子による次世代エース争い。そして、異例の大抜擢を受けた新人・須藤凛々花を襲うセンターの魔物……。本作は、従来のアイドルたちが隠し続けて来た泥臭さや汗にまみれた人間臭さを隠そうともせず、不格好でも夢にしがみつき、泣いてもがいて勝ち取って来た浪速のオンナたちの闘争の記録である。