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74.0点(3人)
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1
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本作は、辺境の地の人々の暮らしをドキュメンタリー的に見せる一方で、現地の配達人を実際にキャスティングし、彼を中心としたドラマを交えて描く作品である。湖に代表される大自然の圧倒的な美しさと、滅びゆくコミュニティへの哀感の念を隠せない人々の表情の対比に胸を打たれる。スケールの大きい、想像力豊かな描写が溢れる傑作である。「産まれたての赤ん坊のような眼で周囲を見つめ、世界が発するかすかな囁き声に耳を澄まし、映画の新たな可能性を切り開く思いで取り組んだ」とコンチャロフスキーが語る本作は、ヴェネチア映画祭で見事監督賞(銀獅子賞)に輝いている。第27回東京国際映画祭上映作品。
スカンジナビア半島に程近い、ロシア北西部に位置するケノゼロ湖。その湖畔に、世界から隔絶されたようにひっそりと存在する集落がある。過疎が進み、住人はもはや数えるほどであり、外部との唯一の接触といえば、毎朝ボートで湖を渡り、町の派出所で郵便物やパンを受け取り、村に戻って住人に配る配達人だけである。
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