冬のモスクワ。元看護師のエレナ(ナジェジダ・マルキナ)は初老の資産家ウラジミル(アンドレイ・スミルノフ)と再婚し、生活感のない高級マンションで、一見裕福で何不自由のない生活を送っている。しかし夫が彼女に求めるのは、家政婦のように家事をし、求められるままにセックスをする従順な女の姿だった。そんな生活の中で、エレナは夫の顔色をうかがいながらも、前の結婚でもうけた働く気のない息子家族の生活費を工面している。しかし、夫の急病によってそんな日常は一変する。死期を悟った夫の「明日、遺言を作成する」という言葉とともに、彼女の罪の境界線が揺らいでいく。そして、彼女はある行動をとる……。