タンゴはアルゼンチンで生まれたもので、彼らほどタンゴに情熱を注いでいる人々は存在しない。アルゼンチン人はもちろん、世界中の多くの人がそう思っているがアキ・カウリスマキをはじめとしたフィンランド人はその意見に異を唱えていた。ブエノスアイレスで活動しているアルゼンチン人タンゴミュージシャン、ワルテル“チーノ”ラボルデ、ディエゴ“ディピ”クイッコ、パブロ・グレコの3人は、事の真相を確かめようとフィンランドへと旅立つ。延々と続く森と湖。一本道を車で走り抜け、湖畔で一休憩。集会場でゆったりしたリズムのタンゴを踊る人々と交流し、サウナも体験する3人。未知の世界に戸惑い、毒づきながらも、各地でご当地ミュージシャンとセッションを重ねるうちに3人はフィンランドに魅了されていく。やがて、彼らが最後に辿り着いた場所で白夜のセッションが開催される。それは「マッチ工場の少女」に出演もしているフィンランドの国民的タンゴ歌手レイヨ・タイパレとの夢の共演であった……。