フランス・ブルゴーニュ地方。まもなく冬を迎える静かな町トネール。少しだけ名の知れたミュージシャンのマクシム(ヴァンサン・マケーニュ)は、殺伐としたパリの生活から逃れ、実家に戻ってくる。しかし、独り暮らしを楽しむ父親のクロード(ベルナール・メネズ)とは、どこかぎこちない雰囲気。アウトドアスポーツをたしなみ、女性関係も華やかな父に対し、都会での生活に疲れ、もはや過去の人として忘れ去られようとしているマクシムに生気はない。そんな中、地元の情報紙のレポーターとして取材に訪れたメロディ(ソレーヌ・リゴ)に、マクシムは心を動かされる。自分が失いつつある若さを持つメロディの笑顔は、マクシムの心の隙間を埋めるのに充分、魅力的だった。急接近し、まるで恋人のようにワイナリーを訪れた2人に対して、醸造家の男が“2人は恋人同士になる”と予言。無邪気にスキーを楽しみ、些細なことで笑い合い、心を通わせてゆく。このまま幸せな日々が続くように思えたが、季節が移り変わるように様子がぎこちなくなったメロディはある日、マクシムの前から姿を消す。そこには、彼女の過去の恋人の影がちらついていた。突然、幸せを奪われたマクシムは、逆上してある行動に出るが……。