アメリカ東海岸の麻薬常用者の75パーセントがヘロインを用いていると言われているが、その大半はフランスのマルセイユから船で送られてきており、そのルートはフレンチ・コネクションと呼ばれていた。ニューヨーク警察の刑事“ポパイ”ことドイル(ジーン・ハックマン)がマルセイユに現れた。目的は、マルセイユ警察のバルテルミー警部(ベルナール・フレッソン)と協力し、ニューヨークで捕り逃がした麻薬密売組織のボス、シャルニエ(フェルナンド・レイ)をとらえ、抜本的にフレンチ・コネクションを潰すことにあった。ある夜、バルテルミーは部下のラオール(ジャン=ピエール・カスタルディ)とミレットを率い、アジトと思われる場所を手入れした。ドイルもついていたが、短気な彼の行動によってめちゃめちゃになってしまった。それから間もなく、ドイルは外出中に2人の男に不意に襲われて誘拐された。連れて行かれた安ホテルには、シャルニエと第一の子分ジャックがいて、その日からドイルはヘロインを打たれ続けた。ドイルはしだいにヘロイン中毒患者になりつつあった。朦朧とした意識の中でやはり中毒患者の薄気味の悪い雑役婦の老婆(キャスリーン・ネスビット)に腕時計をとられたのも気づかぬほどだった。一方、バルテルミーたちも必死でドイルの行方を追っていたが捜し出せぬまま3週間たち、その間ドイルは完全なヘロイン中毒となった。頃合いを見はからっていたシャルニエは、ドイルに最後の強い注射をうち警察の前庭に意識を失った彼をほおり投げた。警察で応急手当を受けたドイルはあやういところで一命をとりとめ、隔離された部屋でバルテルミーの看護と監視をうけた。中毒患者独特の苦悶にさいなまれながらも、ドイルはタフな肉体と負けん気で克服していった。体がすっかり元通りになったドイルはマルセイユを歩き廻り、監禁されていたホテルを発見、ガソリンを片手に単身そのホテルに焼き打ちをかけた。火のついたホテルから飛び出してきた一人の男をとらえたドイルは、徹底的にしめあげ、ヘロインの原料の取引き場所をはかせた。それは巨大な乾ドックの中で行われていた。ドイルはバルテルミーと彼の部下と共に急襲した。しかし、警官の人数があまりにも少なかったために失敗に終わった。やがてドイルが強制送還される日がきた。フランスの警察は彼を囮として利用したにすぎなかったのだ。捜査に目鼻がつくと、無軌道なドイルが邪魔になり始めたのだ。だがドイルは、シャルニエをふんずかまえるまでは絶対に帰らないと主張した。その機会はまもなくやってきた。シャルニエの本拠地をつきとめたのだ。ドイルは秘密工場から逃げるシャルニエを追った。トロールバスに乗って何とかかわそうとするシャルニエ、走ってバスを追うドイル。だがある停留所でシャルニエの姿を見失った。ドイルはあきらめなかった。そのとき、一艘のヨットに乗り込もうとしているシャルニエの後姿を発見した。大急ぎで湾の出入口に先廻りしたドイルは、右足首のホルスターから拳銃を抜きとると、甲板に出てきていたシャルニエに照準を合わせた。「シャルニエ!」という声と共にドイルは引金を引いた。シャルニエは体を折るようにして甲板に倒れた。