ペンシルバニア州ギブスビル市で、社交界の名門チェイビン家の当主ジョー(ゲイリー・クーパー)が死んだ。北フレデリック街10番地の彼の邸には多くの人たちが集まっていた。娘のアン(ダイアン・ヴァーシ)は、亡き父のことを回想する。父が50歳の時、母のエディス(ジェラルディン・フィッツジェラルド)は、父を副知事として政界に乗り出させようとしていた。父が共同で法律事務所を開いているアーサー、州知事のロイド、州議員マイク、銀行家ポールなどが、ジョーの政界乗り出しに協力していた。しかし、息子のジョービー(レイ・ストックリン)は、父の継がせようとする弁護士をきらってジャズ・ピアニストを志望し、学校を退学させられ、アンはトランペット奏者のチャーリーと恋におとて妊娠しており、家庭生活は決して平和なものではなかった。ジョービーはエール大学に入学させられ、アンは恋人との仲をさかれ、人工流産の末に家出した。そしてこのスキャンダルが広まったことからジョーの政界進出は失敗に終わった。ジョーは失意におちいった。そんな時アンをニューヨークに迎えにきたジョーは、その下宿に同居するケイト・ドラモンド(スージー・パーカー)を知った。彼女は彼の旧友の娘だった。アンの知らぬ留守の間、2人は劇場やクラブをめぐって、互いにひかれるものを感じ、恋におちた。しかし、親子ほども年齢にひらきのある彼女のことを、ジョーは思い切り、首飾りを記念に与えて身をひいた。そして、久しぶりの軍隊に入ったジョービーの帰休と、帰ってきたアンの2人に囲まれて間もなく死んでいったのだった。アンの回想はここで終わった。やがて、ケイトの、若い青年との結婚式に、花嫁側の付添となったアンは、彼女が亡父のもっていた首飾りを持っているのを見て、はじめて父と彼女の秘めたる情事を知ったのである。