アフリカからヨーロッパにやってきた少女。辿り着いたのはギリシャのアテネ。仕事を探すものの、仕事どころか眠る場所にさえありつくことができないまま警察に拘束され、強制退去させられる。そして少女はフランスへ。パリ。市民や観光客の目の届かない裏通りの路上には、多くの不法移民や差別を受けて追放された者たちが暮らす。バスティーユ広場には“真の民主主義を”と訴える若者たちが集まっていた。再び警察に捕らえられ、アテネへと送り返される少女。その街で声を掛けてきた少年の手配で、少女は1ユーロで水を売る。世界には不法移民を食いものにする者たちもいる。少女はより良い場所を求めて密航する。スペイン。世界に絶望しかけた彼女の耳に、世の不正義に反対する若者たちの声が聞こえてくる……。