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「灰とダイヤモンド」「カティンの森」のアンジェイ・ワイダ監督作。東欧民主化の口火となった、ポーランドのグダンスクにおける共産圏初の自主管理労組「連帯」初代委員長レフ・ワレサの闘いを、当時の記録映像を織り交ぜながら描く。出演は「ソハの地下水道」のロベルト・ヴィェンツキェヴィチ、アグニェシュカ・グロホフスカ、『ナイトメア・シティ』のマリア・ロザリア・オマジオ。
1980年代初頭のポーランド、グダンスク。レーニン造船所で電気工として働くレフ・ワレサ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)の家に、イタリアから女性ジャーナリスト、オリアナ・ファラチ(マリア・ロザリア・オマジオ)が取材に訪れる。ワレサは、1970年12月の食料暴動の悲劇を語り始める……。物価高騰の中、労働者の抗議行動を政府が武力鎮圧。ワレサは両者に冷静になることを叫び、検挙された際、公安局に協力するという誓約書に署名を強いられる。ワレサと妻ダヌタ(アグニェシュカ・グロホフスカ)は、アパートで質素な生活を送っていたが、この事件以降、歴史的転変期の真只中に深く関わり、ワレサは次第に類まれなカリスマ性と政治的感性を発揮していく。ワレサが乳母車に非合法ビラを隠していたため、生後数か月の娘と一緒に逮捕される一方で、ダヌタは家宅捜査を行う公安局職員に対して果敢に立ち向かう。1970年の事件から9回目の記念日、造船所の正門前でワレサは演説しながらリーダーとしての使命を自覚する。1980年8月、彼はレーニン造船所のストライキ指導部のトップに立ち、「連帯」委員長として自由と権利のために戦う反体制の象徴になる。同月31日、共産党政府と労働者の間で、社会主義圏では画期的な政労合意が調印された。しかし1981年12月、戒厳令布告直後、ワレサは住宅から連れ去られ、1年間の軟禁生活を強いられる。ワレサは自由を奪われ、活動家の仲間との接触を遮断される中、政府への協力を求められるが拒み続けるのだった。1982年11月、ソ連のブレジネフ書記長が死去。その直後、ワレサは軟禁から解放され、グダンスクで民衆の熱狂的な歓迎を受け、再び運動に身を投じていく。1983年10月、ノーベル平和賞を受賞、出国を許されないワレサに代わり、ダヌタがノルウェイで行われた授賞式に出席、スピーチを行った。1989年、政権側と反体制である「連帯」、カトリック教会が参加した「円卓会議」で、ワレサたちは勝利する。1989年11月9日、東西ベルリンの壁が崩壊。その6日後、ワレサはアメリカ・ワシントンの米国議会に招かれ、スピーチを行う。彼は「我々民衆は……」と始め、「今度は別の人々が壁を壊すでしょう。自由は人間の権利だからです」という言葉で結んだ。
REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「ワレサ 連帯の男」
UPCOMING 新作紹介:「ワレサ 連帯の男」
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