二人のブルディ

モンタージュ理論を打ち立て、現代映画の基礎を築き上げたレフ・クレショフ監督による人間ドラマ。内戦が続くロシアを舞台に、主観ショット等、後の映画に影響を与えた撮影技法を駆使、戦乱に翻弄されるサーカスの道化師たちの姿を描く。出演は「宇宙飛行」のセルゲイ・コマロフ。特集上映「レフ・クレショフ傑作選」にて日本初公開。

反革命の白軍との間に内戦が続く革命ロシア。サーカス団の人気者、道化師のブルディは、自分はそろそろ引退を考え、息子をデビューさせようとしていた。しかし、興行初日が明日に迫るなか、町は白軍に占拠され、革命運動をしていた息子は逮捕されてしまう。ブルディは、息子を釈放してもらえるよう白軍に掛け合うが、なかなか上手くいかない。翌日、息子が戻らないまま、サーカスは幕を開けるが、逃げ出した息子が本番中のサーカスに飛び込んでくる……。