大統領選挙が白熱する2008年。経済危機による市民の苦しい生活とは裏腹に、テレビからは連日のように理想に溢れた各候補者の言葉が流れていた。ルイジアナ州最大の街ニューオリンズも例外ではなく、刑務所から出所したばかりのフランキー(スクート・マクネイリー)は、獄中で知り合った中年男ジョニー(ヴィンセント・カラトーラ)の強盗計画に飛びつく。それは、犯罪組織の賭場から大金を奪うというもの。かつてその賭場が強盗に遭った際、雇われ支配人マーキー(レイ・リオッタ)が、“自分が仕組んだ”と周囲に吹聴したことから、次に同様の事件が起これば、容疑はマーキーに向けられるというのだ。犬泥棒のラッセル(ベン・メンデルゾーン)とともに賭場に押し入ったフランキーは無事、強盗に成功。被害に遭った組織は、事件の解決を番頭格のディロン(サム・シェパード)に任せようとするが、病気療養中の彼に代わって現れたのは、凄腕の殺し屋ジャッキー・コーガン(ブラッド・ピット)だった。連絡員“ドライバー”(リチャード・ジェンキンス)から得た情報を元に、行動を開始するジャッキー。そうとは知らないフランキーは、一緒に計画の成功を祝っていたラッセルから、新しく始めた麻薬ビジネスの相棒の名を聞いて愕然とする。その相棒はディロンの部下で、強盗の件を話してしまったというのだ。組織に知られるのは時間の問題。その情報を得たジャッキーは、暗殺者ミッキー(ジェームズ・ガンドルフィーニ)を呼び寄せ、ジョニーの始末を任せる。ところが、現れたミッキーは期待に反し、昼間から大量に酒を飲み、娼婦を買うなど期待外れ。ジャッキーは彼を見限り、自らマーキーに死の制裁を下すと、続いてフランキーとラッセル、ジョニーを追い込んでゆく。金に狂ったギャング、エージェントの背後の影、さらに同業者たちの思惑と裏切りが複雑に絡み合う中、ジャッキーが辿り着いた結末とは……。